勘定科目の解説 資金収支計算書 人件費 職員賞与支出 社会福祉法人会計
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厚生労働省の勘定科目の説明 職員賞与支出
職員賞与支出
出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」
常勤職員に支払う賞与をいう。
資金収支計算書(支出) 勘定科目説明の解説
資金収支計算書の「事業活動による支出」と事業活動計算書「サービス活動増減による費用」の科目名について
資金収支計算書の「事業活動による支出」の部の勘定科目については、多くの科目で
事業活動計算書の「サービス活動増減による費用」の部の勘定科目と、「支出」の表現を除いて、同じ科目名が示されていますね。
区分 | 計算書類名 | 勘定科目名 |
① | 資金収支計算書 | 職員賞与支出 |
② | 事業活動計算書 | 職員賞与 |
職員賞与支出及び関連する勘定科目
資金収支計算書と事業活動計算書の科目の説明
「支出」の表現を除いて、同じ科目名が用いられている職員賞与について、厚生労働省の勘定科目の説明を確認してみましょう。「職員賞与(支出)」の科目については、内容が異なっていることが分かります。
計算書類 | 資金収支計算書 | 事業活動計算書 |
勘定科目 | 職員賞与支出 | 職員賞与 |
厚生労働省の勘定科目説明 | 常勤職員に支払う賞与をいう。 | 職員に対する確定済賞与のうち、 当該会計期間に係る部分の金額をいう。 |
職員支出と類似する科目の説明
職員賞与支出の場合には、
事業活動計算書の職員賞与とともに、(科目)賞与引当金繰入や
貸借対照表の(科目)賞与引当金との関係も理解しておく方がいいでしょう。
計算書類 | 事業活動計算書 | 事業活動計算書 | 貸借対照表 |
勘定科目 | 職員賞与 | 賞与引当金繰入 | 賞与引当金 |
厚生労働省の勘定科目説明 | 職員に対する確定済賞与のうち、当該会計期間に係る部分の金額をいう。 | 職員に対する翌会計期間に確定する賞与の当該会計期間に係る部分の見積額をいう。 | 支給対象期間に基づき定期に支給する職員賞与に係る引当金をいう。 |
職員賞与支出と職員賞与、賞与引当金繰入、賞与引当金の関係
関係図
計算書類 | 資金収支計算書 | 事業活動計算書 | 事業活動計算書 | 貸借対照表 |
勘定科目 | 職員賞与支出 | 職員賞与 | 賞与引当金繰入 | 賞与引当金 |
内 容 | 当年度に支給した 常勤職員への賞与の金額 | 当年度の期間分に係る職員賞与で、 既に支給が確定した金額 | 将来支給する賞与の見込み額のうち 当年度分の期間分に係る金額の繰入額 | 将来支給する賞与の見込み額のうち 当年度の期間に係る金額 |
支給例(夏、冬の年2回の賞与の支給)
夏の賞与 賞与の計算期間 12月~5月の場合
計算期間(前年12月1日~5月31日)の賞与を6月末に支給する。
支給額120万円、うち前年度末引当金80、当年度分40万円の場合
振替伝票(事業活動計算書及び貸借対照表)
借方科目 | 金額 | 摘 要 | 金額 | 貸方科目 |
賞与引当金 | 80 | 職員賞与の支給 | 120 | 普通預金 |
職員賞与 | 40 | 職員賞与の支給 |
振替伝票(資金収支計算書)
借方科目 | 金額 | 摘 要 | 金額 | 貸方科目 |
職員賞与支出 | 120 | 職員賞与の支給 | 120 | 支払資金 |
冬の賞与 賞与の計算期間 6月~11月の場合
計算期間(6月1日~11月30日)の賞与を12月10日に支給する。
支給額150万円、うち当年度分150万円の場合
振替伝票(事業活動計算書及び貸借対照表)
借方科目 | 金額 | 摘 要 | 金額 | 貸方科目 |
職員賞与 | 150 | 職員賞与の支給 | 150 | 普通預金 |
振替伝票(資金収支計算書)
借方科目 | 金額 | 摘 要 | 金額 | 貸方科目 |
職員賞与支出 | 150 | 職員賞与の支給 | 150 | 支払資金 |
決算において賞与引当金の繰入 賞与の計算期間 12月~5月の場合
次年度に支給予定の夏の賞与 計算期間(12月1日~5月30日)のうち、
当年度に係る金額(12月~3月分)を合理的方法を用いて見積もり、引当金に計上する。
次年度の夏の賞与の支給予定額120万円、うち当年度分80万円の場合
振替伝票(事業活動計算書及び貸借対照表)
借方科目 | 金額 | 摘 要 | 金額 | 貸方科目 |
賞与引当金繰入 | 80 | 翌年度支給予定の賞与のうち当年度分の引当金の繰入 | 80 | 賞与引当金 |
振替伝票(資金収支計算書)
借方科目 | 金額 | 摘 要 | 金額 | 貸方科目 |
仕訳なし | - | - |
職員賞与についての内容の説明
勘定科目の解説
職員賞与の内容やポイントについては、
下の科目のページにても、解説を行っています。ご参考にしてください。
なお、資金収支計算書の「支出」と事業活動計算書「費用」の相違点は下のようになります。
支出(資金収支計算書)と費用(事業活動計算書)の違いについて
社会福祉法人では、3つの計算書類を作成していきます。
このうち、資金収支計算書と事業活動計算書では、類似している科目名が多く用いられています。
様式名 | 計算書類名 |
---|---|
第一号 第一様式〜第四様式 | 資金収支計算書 |
第ニ号 第一様式〜第四様式 | 事業活動計算書 |
第三号 第一様式〜第四様式 | 貸借対照表 |
簡単な説明です
職員賞与支出
法人の常勤職員さんへ当年度に支給した賞与の金額になります。
科目の正確な内容は、厚生労働省の勘定科目説明でいつでも確認することができます。科目の要点をイメージできるようにしておきましょう。
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勘定科目の解説の一覧
よかった。ありがとう。読んだ人が幸せでありますように。
マツオカ会計事務所のストーリー
著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。