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勘定科目の解説 マツオカ事務所オリジナル

勘定科目の解説「前払費用」社会福祉法人会計

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厚生労働省の勘定科目の説明 前払費用

前払費用
一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、いまだ提供されていない役務に対し支払われた対価をいう。

出典「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について

勘定科目説明の解説 前払費用

未収収益」の説明の中で触れていますが、「未収収益」「前受収益」と「前払費用」「未払費用」の4つの科目を総称して経過勘定という表現を使うことがあります。

経過勘定について

この4つの科目は、いずれも、時の経過によって発生する収益や費用に関連して用いられる勘定科目です。

①一定の契約があって

②時間の経過とともに生じる

③役務の提供によって受取る、または支払うものです。

契約に基づく「○月分の料金」というのがイメージしやすいですね。
「当月分の料金」を、「当月」に受け取ればいいのですが、
契約によっては、当月分を前月に受け取ったり(支払ったり)、翌月に受け取ったり(支払ったり)することがよくあります。

法人側が、受け取るケース(収益)支払うケース(費用)で4つのパターンがあることが分かります。

科目発生月支払時期
未収収益当月分を翌月以降に受け取り
前受収益当月分を前月までに受け取り
前払費用当月分を前月までに支払い
未払費用当月分を翌月以降に支払い

時の経過

福祉のサービスでも、「○月分」という表現を使いますが、経過勘定に計上されるものとの違いは、
経過勘定にされるものは、時間の経過とともに、自然発生的に収益や費用が発生するものです。

家賃や賃借料、保険料やソフトなどの利用料などがイメージしやすいですね。

役務の提供

経過勘定に計上されるものは、役務の提供や何らかのサービスの提供と呼ばれるものになり、物品の売買・購入など(資産の譲渡と言います)では、生じません。

サービスの内容が、部屋を貸す、借りるというものであったり、保険(補償や安心)を提供するというものであったりと様々なものになります。

前払費用

前払費用は、経過勘定のうち、当月分の費用を前月までに支払っているものになります。また、支払っているものは、1年以内にサービスの提供を受けるものです。

固定資産の中に「長期前払費用」という科目があり、1年以上先の費用(料金)まで支払っているものは「長期前払費用」の方に計上されます。

確認チェック

保険料やソフトの利用料などの場合、12か月分前払いや24か月、60か月前払いなど、長期に渡る料金を前払いすることがあります。同じような前払いの費用であっても、1年以内のものか、1年を超えるものかで、さらに区分していくことになります。

会計実務での確認

前払費用に該当する取引(契約)は、たくさん使われています。

全ての契約が、同じ時期に、同じ期間で支払われている訳ではありませんね。

  • 法人で前払いしている契約には何があるか、
  • 決算の時点で何か月分の前払いが残っているか

などを確認する必要があります。

エクセルなどを用いて管理していくのもいいかもしれません。

簡単な説明です

マツオカ
マツオカ

前払費用
○月分の料金を、前もって先に支払わないといけないと契約書に書いている場合の、保険料や利用料金、駐車場代など。毎月払う場合もあれば、1年分や何か月分前払いなど契約によって色々とあるため、何か月分残っているかの管理も大切になる。


科目の正確な内容は、厚生労働省の勘定科目説明でいつでも確認することができます。科目の要点をイメージできるようにしておきましょう。

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著者情報 この記事を書いた人

松岡 洋史

Matsuoka Hiroshi

公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関

マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳

地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。

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(筆者:松岡洋史 公認会計士・税理士 専門分野:社会福祉法人会計

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