専門的財務監査のポイント㉙ 立入調査の指摘事項 令和5年度 ~企業主導型保育事業~
企業主導型保育事業の立入調査
令和5年度は、企業主導型保育事業の立入調査が4,417施設で実施されました。
うち児童育成協会による実施が4,117施設、委託による実施が300施設となっています。
今回は、こども家庭庁の資料から、令和5年度の立入調査の指摘事項を確認していきます。
立入調査の実施施設数
令和6年11月現在、令和5年度の監査実績(速報値)について説明が行われています。
令和6年12月現在、令和5年度の監査実績(確定値)が更新されました。
区 分 | 令和5年度 |
---|---|
実施施設 | 4,417施設 |
うち改善を要する施設 | 3,294施設 (74.6%) |
うち改善不要な施設 | 1,123施設 (25.4%) |
監査実施の取組み
こども家庭庁の資料によると、令和5年度の立入調査は、下のように取り組まれました。
No. | ポイント |
---|---|
1 | 関係部署との連携強化を図るとともに、指導監査部内の多様な人材活用と関西支所の近畿地域立入調査の内製化の促進と連携により、令和5年度の協会の実施分については、内製化率93.2%の4,117施設の監査を完了。 |
2 | 関西支所管内では、自治体との合同調査も実施。 *大阪府高槻市と2施設(10月、12月)の同行立入調査実施。 |
3 | グループリーダーの育成を図り、研修専任者の設置により監査員の育成強化を行うとともに、実効性のある調査手順書及びマニュアル等の整備を行うことにより、監査の質の向上と立入調査の均質化が図られた。 |
4 | 委託による監査については、施設数の多い関東圏等に集中実施させることにより、効率化とリスクマネジメントの管理体制強化を行い、立入調査の質を担保。 |
立入調査での指摘事項
No. | 指摘事項 |
---|---|
1 | 開所時間の全てにおいて必要な保育従事者数を配置すること |
2 | 安全計画に基づく安全確保のための取組を行うこと |
3 | 乳幼児の利用開始時に健康診断結果等を確認すること |
4 | マニュアルに基づく虐待防止対策を適切に行うこと |
5 | 乳幼児の健康診断を適切に実施すること |
6 | 職員の健康診断を適切に実施すること(採用時又は定期) |
7 | 食事の提供は自園調理等により適切に行うこと |
8 | 設備等の安全対策を適切に行うこと |
9 | 保育内容及び利用料金等を適切に掲示、提示すること |
10 | 非常災害に対する具体的計画(消防計画 )の策定、訓練等を適切に実施すること |
企業主導型保育事業 各監査での指摘事項 令和4年度~令和5年度
下のリンクから指摘事項のページに進みます。
マツオカ会計事務所のストーリー
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著者情報 この記事を書いた人
松岡 洋史
Matsuoka Hiroshi
公認会計士・税理士
社会福祉法人理事(在任中)
スマート介護士 認定経営革新等支援機関
マツオカ会計事務所 代表 松岡 弘巳
地方公務員として11年、地方公営企業の財務部門を中心に在籍した後、平成14年から社会福祉法人への会計支援業務を行う。会計支援を通じて出会った、社会福祉法人で働く皆さんの人柄に魅かれ、平成18年 社会福祉法人会計専門の会計事務所として開業した。
地方公務員としての経験と公認会計士としての知識を活かして、社会福祉法人の法人運営の支援を行ってきたことにより、独特の実務経験を有する。
